今回は脳科学的な側面から、ビジネスで成功するためのアプローチを探っていく内容になります。
ときっと驚かれることになると思います(笑)
ビジネスを行っていく上でも、これからの生活の中においても非常に役立つ考え方なので、ぜひ習得されてくださいね!
現状維持バイアスとは
いまあなたに1万円をくれると言っている人がいるとします。(詐欺などではなく、確実に受け取れることが分かっているとします。)
しかしその1万円を受け取るためには、あなたは5千円をその人に差し出す必要があります。
あなたは、この1万円を獲得できる自信はあるでしょうか?
恐らく、ほとんどの人はYesと答えると思います。
では、この金額が100倍になると、どうでしょうか?
100万円受け取るためには、50万円の費用がかかるとしたら?
恐らく、100万円を獲得できる人はほとんどいないと思います。
実はこれが現状維持バイアスの例です。
変化によって得られる得よりも、それと同時に変化によって失う損の方により強く反応してしまう人間の習性を言います。
これは人間の習性なので、多かれ少なかれ誰しもが持ち合わせています。
なぜ現状維持バイアスに陥るのか?
結論から先に言ってしまうと、「人間の脳の仕組み上そのようにできているから」です。
ではなぜ人間の脳はそのような意思決定を本能レベルでするようになったのでしょうか?
これは実は人間の起源に遡ることになります。
人間がまだ狩猟や採集によって、生活をしていた時代の話です。
当時の人たちにとって、食糧の狩場をどこにするのかは非常に重要な問題でした。
現代人に置き換えると、どこの会社で働くのかということに近いですよね。
現代人でいう会社、我々の祖先が狩場を変えることには以下のようなリスクが付きまといました。
- 移動中に道に迷ってしまうかもしれない。(地図とかない時代)
- 移動中に猛獣に襲われてしまうかもしれない。(熊とかライオンとか)
- せっかく移動した先で食糧が取れないかもしれない。
こう言った生命を脅かすレベルの危機から、少しでも生存確率を高めるために、簡単に変化を選んではいけないと、本能レベルに擦り込まれてしまったと言われています。
これは現代人に置き換えてみても、やはり同じ選択をしてしまう人が大半だと思います。
- 転職先がなかなか見つからず、ただ苦労するだけになるかも・・。(そう考えると、面倒くさい。。)
- 転職活動が職場の人にバレたりして、パワハラなどに遭うかもしれない。
- せっかく転職しても、仕事内容や人間関係が自分に合わないかもしれない。
自分のことに置き換えて考えてみると、めちゃくちゃ納得できますよね。
ただ、我々の祖先の時代と決定的に違うことが1つだけあります。
それは・・・
- 現代は情報化社会であり、しっかりと調べれば情報が得られるということ。
- 事前に情報が分かれば、リスクを最小限に抑えることができる。
- どれくらいのリターンを得られることが出来るのかも、だいたい予想ができる。
これだけ、現代では状況が分かっているにも関わらず、旧石器時代の行動特性をいつまでも引きずって生きていくのは、ナンセンス過ぎますよね。
現状維持バイアスの具体例
では私たちの身の回りで起こっている現状維持バイアスの具体例を取り上げてみたいと思います。
現状維持バイアスは日常生活の様々な場面で顔を出すので、私がパッと思いつく限りでも、以下があります。
- 彼氏がダメな男と分かっていながら、いつまでも別れられない
- 就職した会社がブラック企業だと分かっていながらも、とりあえず3年間は働いてみようと考えてしまう
- 大型ショッピングモールが近くにできて状況が一変したのに、これまでの店のスタイルを変えられない個人商店
なんだか少し悪口ばかり・・みたいになってしまってすみません。(笑)
ただ、これらのケースにおいて、もし変化を受け入れることが出来れば、かなり状況が変わることが分かると思います。
少し想像してみましょう。
優しくて素敵な新しい彼氏を見つけて幸せになれる
まともな会社に転職して、働きやすい環境で仕事ができる
そのまま経営していても3年後には店じまいすることが見せていたので、店のコンセプトを大きく変えることで、新しい客層を摑まえることに成功
もちろん、どれも100%の確証はありません。
でも現状のまま変化しなければ、良くない状況が続く、ということは100%分かっていますよね。
それであれば、変化を恐れずに積極的に行動を起こしていき、解決の糸口を見つけましょう。
どうすれば脱出できるのか?
現状維持バイアスから抜け出すために、重要な改革要素が2つあります。
- 思考方法の改革
- メンタル面での改革
思考方法の改革
まず現状維持バイアスに陥りやすい人は、主観的な判断を行いやすいという傾向があります。
これを変えるために必要なのが徹底的な客観的思考です。
なんとなく・・の判断を止めるために、複数考えられる選択肢を定量化(数字に置き換え)してみます。
例えば先ほどの個人商店の話で言えば、今の営業スタイルで続けていくと、毎年売り上げが100万円ずつ少なくなっていくことが予測できる。このままだと、3年後には赤字に転落してしまう。
お店のホームページを刷新して、ネットの販路を開拓すれば、初期費用として50万円掛かるが、年間の売上は150万円上がる可能性がある。
現実の問題はもう少し複雑ですが、例えばこのような形で、可能な限り数字で考えられる要素を増やしていく、という方法です。
また、客観的に考えるためには、第三者のアドバイスを聞くことも重要です。
利害関係に絡まない人で、かつその道の専門家に聞くのがオススメです。
家族など利害関係に絡む人では客観的なアドバイスをもらうことは難しいですし、相手が専門家でなければ新たな気づきなどを得るのは難しいです。
メンタル面での改革
客観的思考ともう1つ重要なのが、メンタル面での改革になります。
変化というものは、それ自体がなんとなく不快に感じます。先述した通り、それが人間の本能だからです。
それなので、意図的に、心地よいと感じられるように変えていく必要があります。
ここで有効になってくるのが、主にスポーツ選手が取り入れているイメージトレーニングの手法です。
実践方法まで解説しようとすると、少し長くなってしまうので割愛しますが、大事なのは成功後の自分を強く意識することです。
そして、成功している自分の姿を強烈にイメージすることで、そこに向かっていく際のストレスを軽減することができるようになります。